電話対応の効率化や顧客満足度向上を目指す企業にとって、電話自動音声システム(IVR電話)は今や欠かせない存在となっています。
「自動音声ガイダンスで業務をもっと楽にしたい」「24時間365日、顧客に寄り添う対応を実現したい」——
このような課題を解決するIVR電話の仕組みや活用シーン、導入のメリット・デメリット、最新サービスまでを徹底解説します。
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電話自動音声やIVR電話の導入を検討中の方は必見です。
1. 電話自動音声(IVR電話)とは
1.1 電話自動音声(IVR電話)の定義・概要
電話自動音声(IVR電話)とは、着信した電話に対して自動的に音声ガイダンスを流し、発信者の操作や選択肢に応じて案内や振り分けを行うシステムのことです。
「IVR」は「Interactive Voice Response(インタラクティブ・ボイス・レスポンス)」の略で、日本語では「自動音声応答システム」とも呼ばれます。
企業の代表電話やカスタマーサポート、コールセンターなどで、限られた人員でも多くの電話対応を効率化できる仕組みとして、多くの企業が導入しています。
電話自動音声システム(IVR電話)を導入することで、顧客からの問い合わせ対応を自動化し、業務効率化や人件費削減、サービス品質向上など、多くのメリットが期待できます。
1.2 IVR(Interactive Voice Response)とは
IVR(Interactive Voice Response)とは、電話の着信時に自動で音声ガイダンスを流し、発信者がプッシュボタン操作や音声入力を使って、必要な窓口やサービスに振り分けられる仕組みです。
たとえば、「○○のご用件は1番を、△△のご用件は2番を押してください」という音声案内が流れるのがIVR電話の典型例です。
近年はAI技術の進化により、音声認識を活用したIVRも増えています。
これにより、発信者が「請求書について」などと話すだけで、適切な窓口に自動でつながる仕組みも実現しています。
IVR(Interactive Voice Response)とは
1.3 IVR電話の仕組み
IVR電話の主な仕組みは以下の通りです。
- 着信時に自動音声ガイダンスを再生
電話がかかってくると、あらかじめ設定された自動音声ガイダンスが流れます。 - 発信者の入力を受け付ける
発信者はプッシュボタン(ダイヤルボタン)や音声認識で、要件を選択します。 - 選択内容に応じて振り分けや案内を実施
発信者の選択に応じて、適切な担当部署へ転送したり、録音メッセージやFAQ案内を流したりします。 - 必要に応じて他のシステムと連携
顧客データベースや予約システムなどと連携し、本人確認や予約受付、情報提供なども自動化できます。
このように、IVR電話は電話自動音声を活用することで、効率的かつ無駄のない電話応対を実現しています。
1.4 IVR電話のタイプ・種類
IVR電話にはいくつかのタイプ・種類があります。
- 装置型IVR(オンプレミス型)
企業内に専用機器やPBXを設置して運用するタイプ。セキュリティが高い一方、初期費用がかかりやすいです。 - クラウド型IVR
インターネット経由でクラウドサービスとして利用するタイプ。初期投資が抑えられ、柔軟な運用が可能です。
最近はクラウド型IVR電話の導入が急増しています。 - AI搭載IVR
AIによる音声認識や自然言語処理を活用し、より柔軟な対応や複雑な会話にも対応できるIVR電話システムです。 - ビジュアルIVR
スマートフォンの画面上に案内を表示し、タップ操作で分岐できる「目で見て操作できるIVR」です。電話とWebのハイブリッド型とも言えます。
それぞれのIVR電話は、業種や目的に合わせて選択され、効率的な電話自動音声応答を実現しています。
1.5 IVRと音声ガイダンス・AI自動電話応答・ビジュアルIVRの違い
IVR電話と他の自動応答システムには、いくつか明確な違いがあります。
- IVR電話は従来型の「番号を押して選択」だけでなく、近年は音声認識やAIによる自動化も進化しています。
- 音声ガイダンスは分岐や選択肢がなく、シンプルな案内に向いています。
- AI自動電話応答は、自由な会話や複雑な要件にも対応でき、IVR電話の進化版とも言えます。
- ビジュアルIVRは、電話自動音声とWeb画面を組み合わせることで、よりユーザーにやさしい体験を提供します。
2. IVR電話の活用シーン・利用事例
IVR電話(電話自動音声システム)は、幅広い業種や業務で活用されています。
ここでは、代表的な活用シーンや導入事例を紹介します。
2.1 受電制御(かかってきた電話への対応)
IVR電話の代表的な活用方法が、「受電制御」です。
コールセンターや企業の代表電話にかかってきた電話に対し、まず電話自動音声で応対し、発信者の意図を確認します。
たとえば、
- 「ご用件をお選びください。1番:商品について、2番:サポート、3番:その他」
- 「お名前や会員番号をプッシュしてください」
このように、IVR電話が一次受付を担うことで、担当者につながる前に要件を自動で振り分けられます。
これにより、業務負担の軽減や、顧客の待ち時間短縮が実現できます。
2.2 自動受付
IVR電話は、さまざまな業務で「自動受付」として利用されています。
例としては、
- 予約受付(病院・レストラン・美容室など)
- 注文受付(宅配・テイクアウト・通販など)
- 資料請求やイベント申込
発信者が電話自動音声の案内に従い、ダイヤル入力や音声認識で必要な情報を登録できます。
担当者が手動で受付する必要がなくなり、24時間365日の受付対応も実現できます。
自動受付
2.3 他システムとの連携
IVR電話は、さまざまな他システムとも連携が可能です。
たとえば、
- 顧客情報管理(CRM)システムと連携し、本人確認を自動化
- 予約システムや在庫管理システムと連動し、最新情報を案内
- 決済システムと連携して、支払い案内や残高確認
電話自動音声で得た情報をリアルタイムで他システムに反映できるため、業務全体の自動化・効率化が進みます。
また、IVR電話で得られたデータを分析し、サービス改善やマーケティングにも活用できます。
2.4 大量発信による自動音声案内
IVR電話は、大量発信にも活用されています。
たとえば、
- 重要なお知らせやキャンペーン情報の一斉送信
- 支払い督促や予約リマインドの自動案内
- 災害時の安否確認や緊急連絡
あらかじめ作成した電話自動音声メッセージを、多数の顧客に自動で一斉発信できます。
人手をかけずに確実に情報を届けられるため、多くの企業や自治体で導入が進んでいます。
2.5 特定の顧客への発信
IVR電話(電話自動音声システム)は、「特定の顧客」への個別発信にも活用されています。
例えば、
- 定期契約者への更新案内やフォローコール
- 支払い遅延者へのリマインドコール
- 大口顧客やVIP顧客への特別なご案内
- 医療機関での通院リマインダー
これらの場合、IVR電話が顧客ごとにカスタマイズされた電話自動音声を流し、必要に応じてそのままオペレーターに転送したり、顧客の入力を受け付けたりできます。
このような活用により、きめ細やかな顧客フォローが自動的かつ効率的に行えます。
また、個人情報や対応履歴もシステムで管理できるため、セキュリティ面でも安心です。
自動リマインダー・メール
3. 電話自動音声・IVR電話の導入メリット
IVR電話(電話自動音声システム)を導入することで、企業や組織にはさまざまなメリットがあります。
以下では、代表的な導入メリットを詳しくご紹介します。
3.1 人件費削減と業務効率化
電話自動音声やIVR電話の最大のメリットは、「人件費削減」と「業務効率化」です。
- 問い合わせや受付業務を自動化することで、オペレーターの人数を最適化できます。
- 繰り返しの多い業務や簡単な案内はIVR電話が担当し、複雑な相談やクレームなどは担当者に振り分けることで、リソースの有効活用が可能です。
- 業務の標準化や属人化の防止にもつながります。
これによりコスト削減だけでなく、従業員の負担軽減や他業務へのリソースシフトが実現できます。
3.2 24時間365日対応が可能
電話自動音声(IVR電話)は、システムが自動で対応するため、24時間365日いつでも電話対応が可能です。
- 夜間や休日の問い合わせ、緊急時にも対応できるため、顧客へのサービス品質が向上します。
- 予約や注文、各種受付など、時間帯を問わず顧客のニーズに応えられます。
- 人手不足の課題や、営業時間外でも顧客満足度を維持できます。
この「いつでも対応できる」体制は、現代のビジネスにおいて大きな強みとなります。
3.3 顧客満足度の向上
IVR電話を活用することで、顧客満足度の向上も期待できます。
- 用件ごとに適切な窓口へスムーズに案内できるため、待ち時間やたらい回しを減らせます。
- 24時間対応や迅速な自動応答で、顧客のストレスを軽減します。
- 音声ガイダンスやAIによる柔軟な対応により、顧客一人ひとりに合わせたサービスが提供できます。
適切な電話自動音声システムを選ぶことで、顧客体験の質を大きく高められます。
顧客満足度の向上
3.4 ガイダンス音声の活用
IVR電話の「ガイダンス音声」は、案内や誘導だけでなく、企業のブランドイメージ向上にも貢献します。
- プロのナレーターによる分かりやすいガイダンス音声を使うことで、顧客への信頼感をアップできます。
- 季節やキャンペーンごとにガイダンス音声を変更することで、柔軟な情報発信が可能です。
- 音声案内による注意喚起や重要なお知らせも、確実に顧客へ伝えることができます。
このように、電話自動音声を戦略的に活用することで、単なる自動応答にとどまらず、企業イメージやコミュニケーション力の強化につなげることができます。
4. 電話自動音声・IVR電話導入のデメリットと課題
どんなに便利な電話自動音声システム(IVR電話)にも、導入や運用において注意すべきデメリットや課題があります。
これらのポイントをしっかり把握し、事前に対策を検討することが重要です。
4.1 担当者につながるまでの時間
IVR電話を利用すると、発信者は自動音声ガイダンスに従って番号を選択したり、音声入力したりする必要があります。
このプロセスが長すぎたり、分かりにくい場合は、担当者に直接つながるまでの時間がかかりすぎるという課題が発生します。
- 何度も選択肢を選ばなければならない
- 複雑なメニュー構成で迷いやすい
- 急ぎの用件や緊急時にストレスとなる
こうした問題を防ぐためには、IVR電話のメニュー設計をシンプルかつ分かりやすくすることが大切です。
音信不通
4.2 初期費用・運用コスト
電話自動音声システム(IVR電話)は、初期費用や運用コストが発生します。
- 専用機器やシステム導入費用、回線工事費
- クラウド型の場合は月額利用料や通話料
- ガイダンス音声の作成費用やシナリオ設定費
- 継続的なメンテナンスやバージョンアップ費用
特にカスタマイズ性や高機能を求める場合、コストが増加する傾向にあります。
導入目的や規模に合わせて、適切なサービスやプランを選ぶことが重要です。
4.3 導入までの期間
IVR電話の導入には、一定の準備期間が必要です。
- 要件定義やシナリオ設計
- システム構築・テスト運用
- 音声ガイダンスの録音や設定
- 他システムとの連携作業
特にオンプレミス型や大規模なカスタマイズが必要な場合、導入までに数週間~数カ月かかることもあります。
スピード導入を重視する場合は、テンプレートやクラウド型IVR電話の活用がおすすめです。
4.4 問い合わせ集中のリスク
電話自動音声システム(IVR電話)は、「特定の窓口」や「人気のメニュー」に問い合わせが集中しやすいというリスクがあります。
- 一部の選択肢にアクセスが集中し、待ち時間が長くなる
- 複数の発信者が同時に同じメニューを選ぶことで混雑
- スムーズな対応ができず、顧客不満につながることも
この課題に対しては、同時通話数や回線数の拡張、分散型メニュー設計、FAQやWebチャットとの併用などの対策が有効です。
4.5 営業電話は完全には防げない
IVR電話を導入しても、営業電話や迷惑電話を完全に防ぐことは難しいという課題も存在します。
- 自動音声ガイダンスを突破して営業担当にたどり着くケース
- システムを悪用した自動発信やスパムコール
迷惑電話を減らすには、電話自動音声のメニュー設計やブラックリスト機能の活用、番号認証などの追加対策が必要です。
ただし、完全な排除は難しいため、営業電話への対応方針を明確に決めておくことが求められます。
営業電話は完全には防げない
5. IVR電話の比較ポイントと選び方
IVR電話(電話自動音声システム)は、多様なサービスやシステムが提供されています。
そのため、導入時には自社の目的や課題に合ったシステムを選ぶことが重要です。
ここでは、比較・選定時に特に重視すべきポイントを解説します。
5.1 利用用途に合った機能の有無
IVR電話を選ぶ際、自社の利用用途に合った機能が備わっているかを確認することが最優先です。
- 受付業務、予約対応、注文受付、督促コールなど、用途によって必要な機能は異なります。
- 音声認識やAIによる自動応答、プッシュボタン入力、システム連携機能など、業務に必要な機能が網羅されているか確認しましょう。
- また、将来的な業務拡大や機能追加に柔軟に対応できる拡張性も重要な比較ポイントです。
5.2 ガイダンス(音声)の用意
IVR電話の「ガイダンス音声」は、顧客体験を大きく左右します。
- プロのナレーターによる自然でわかりやすいガイダンス音声を利用できるか
- システム側でテンプレート音声が用意されているか、自社オリジナル音声をアップロードできるか
- シーズンやキャンペーンごとにセリフや内容を柔軟に変更できるか
顧客に伝わりやすく、ストレスを与えないガイダンスを用意できるかは、IVR電話選定の大切なポイントです。
5.3 分析機能の充実度
IVR電話(電話自動音声システム)には、通話内容や利用状況を分析する機能が搭載されていることが多いです。
- どのメニューが多く利用されているか、どこで離脱が生じているかなどの「通話ログ」や「利用統計」
- 顧客満足度や対応品質を測るための「レポート機能」
- 問い合わせ内容や応対パターンの分析による業務改善
分析機能が充実していれば、IVR電話の運用効果を定量的に把握でき、継続的なサービス改善につなげられます。
5.4 同時通話数
IVR電話システムでは、同時に対応できる通話数も重要な比較ポイントです。
- 一度に大量の電話がかかってきたときに、どれくらいの件数まで自動音声対応できるか
- 繁忙期やキャンペーン時でも、取りこぼしなく対応できる体制が整っているか
- 必要に応じて同時通話数を柔軟に拡張できるか
同時通話数が少ないと、顧客を長時間待たせたり、電話がつながらなかったりするリスクが高まります。
自社の規模や想定される受電数に合わせて、余裕を持った設定を選びましょう。
5.5 クラウド型か専用装置型か
IVR電話には大きく分けて「クラウド型」と「専用装置型(オンプレミス型)」の2種類があります。
- クラウド型IVR電話
- インターネット経由で利用でき、初期投資が少なく導入もスピーディー
- 導入後の機能追加やバージョンアップも容易
- 場所を選ばず利用でき、テレワーク・複数拠点にも対応しやすい
- 専用装置型IVR電話(オンプレミス型)
- 自社内に専用機器やサーバーを設置して運用
- カスタマイズ性やセキュリティ面で優れているが、初期費用や運用コストが高くなりやすい
- 大規模なコールセンターや、高度な連携が必要な場合に向いている
自社のIT環境や運用体制、予算、セキュリティ要件に応じて、最適なIVR電話のタイプを選択しましょう。
6. 電話自動音声システムの課題解決事例と最新サービス
業務効率化やコスト削減だけでなく、IVR電話はさまざまな現場の悩みや課題を解決する最新サービスへと進化しています。
ここでは、実際の課題解決事例と注目の最新IVRサービスの特徴についてご紹介します。
6.1 受けたい電話だけを振り分ける仕組み
多くの企業や店舗では「本当に受けたい電話」だけを効率よく受電したいという課題があります。
最新の電話自動音声システム(IVR電話)は、発信者の選択や認証情報、発信元番号などに応じて受けたい電話だけを自動で振り分ける仕組みを構築できます。
具体的な事例
- 重要な顧客やVIPからの電話は、即時に担当者へ転送
- 営業電話や迷惑電話は自動音声で対応し、担当者までつなげない
- 予約や注文など、要件ごとに適切な担当部署へ自動振り分け
これにより、業務効率化だけでなく、担当者の負担軽減や顧客満足度の向上にもつながります。
6.2 導入が簡単なサービス
従来のIVR電話は、初期設定やカスタマイズに時間や専門知識が必要でした。
しかし最近では、導入が非常に簡単なクラウド型電話自動音声サービスが増えています。
最新サービスの特徴
- インターネット経由で申し込みから最短即日で利用開始できる
- テンプレートやドラッグ&ドロップで簡単にガイダンスやシナリオを作成可能
- 既存の電話番号をそのまま利用できるサービスも
これにより、中小企業や個人事業主でも手軽にIVR電話を導入しやすくなっています。
6.3 定額で安心して利用できるサービス
IVR電話の運用コストの見通しが立てにくいという不安も、最新サービスでは解消されています。
最新サービスの特徴
- 月額定額制プランで、利用回数や通話時間の上限内で料金が一定
- 初期費用が無料、または低額で始められる
- 通話数の増減や機能追加も柔軟に対応できる
これにより、予算管理がしやすく、長期的に安心してIVR電話を利用できる環境が整っています。
結論
電話自動音声システム(IVR電話)は、業務効率化やコスト削減、顧客満足度の向上を実現する強力なツールです。
導入時には自社の業務や規模、目的に合ったシステム・サービスを選ぶことが重要ですが、最新のクラウド型IVRやAI自動応答サービスなら、導入も運用もますます手軽になっています。
今後さらに進化するIVR電話を活用し、企業の競争力を高めていきましょう。
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